振袖の由来から見る振袖の袖が長い理由

成人式では多くの女性がレンタルなどで振袖を着用し、お呼ばれした結婚式に着て行くという方もいらっしゃいますよね。しかし、そもそも振袖の袖はなぜあれほど長いのでしょうか。振袖の由来から振袖の袖が長い理由を考えてみましょう。

振袖の起源は?

振袖の原型は飛鳥時代にはすでにうまれており、江戸時代に現在の振袖に近い形に変化したと言われています。振袖はもともと、若い女性や元服前の男の子が着用し、大人になると袖を短くし、振りを縫うのが慣わしでした。しかし江戸初期に踊り子の風俗がしていた袖を振って愛情を示し、袖にすがって哀れみを請うなどの行為が未婚の娘の間で大流行したため、振袖は未婚女性の着物という習慣がうまれたと言われています。そして明治以降、振袖は未婚女性の第一正装として定着しました。現在は袖丈の長さが115cm以上の大振袖、95~115cmくらいの中振袖、85~95cmくらいの小振袖があり、女性の身長が伸びたことから振袖といえば大振袖を指すようになっています。

人に対して行われるようになった魂振り

振袖の由来を探る上で、魂振りというワードが重要になります。古来から振るという行為には呪術的な意味があり、振ることで神の御加護による安寧を祈ったり、厄を払うと考えられていました。これを魂振りと言い、神に仕える女性は長い布や袖を振って魂振りを行っていました。この魂振りは神に対してのみ行われていたのですが、次第に人に対しても行われるようになりました。意中の人を振り向かせるために、心を通わせるために袖を振って祈ったのです。そして女性は良縁を願って袖を振るようになり、ご利益をより高めるために袖が長くなっていったと考えられています。
振袖の袖が長いもう1つの理由として、身振りを美しくするため、お洒落を競っているうちに長くなっていったというものがあります。いつの時代の女性もお洒落に気を配っていたということですね。

振袖の種類と着る理由

結婚式で花嫁が独身最後の記念として振袖を着ることもありますが、結婚して既婚者になると袖を短くした留袖を着るようになります。振袖には袖を振って良縁を願う意味がありましたが、留袖には既婚女性が夫ひとりに思いを留めることを誓ったという意味があると言われています。
結婚式で花嫁が着るのは大振袖です。最近はレンタルして成人式でも大振袖を着るのが一般的です。中振袖は結婚式に出席する時など正式な儀式の場で着用します。小振袖はパーティーなど気軽に礼装を楽しみたい時に着用します。
最後に成人式や結婚式など人生の門出となる日に振袖を着ることが多い理由は何でしょうか。振るという行為に呪術的な意味があることから、袖を振るという仕草から神の御加護や厄払いを願い、門出の日に身を清める意味を持つと考えられています。振袖には幸せを願う気持ちが込められているのです。